この半年ほど、マルセル・コンシュ(1922-2022)の『形而上学』の翻訳に関わっていたせいか、形而上学という学問が以前よりも近くに感じられるようになってきた
もちろんそれは、形而上学の何たるかが見えてきたという感覚とは程遠く、これからその中に入り、格闘したいという気になってきたというようなことだろうか
著者の言葉に耳を澄ませて、自分の中でそのイメージを膨らませ、それを実践できるようにしたいという気持ちが出てきたということだろう
コンシュによれば、形而上学は科学ではないので、これが正解だ!というものがないという
つまり、その著者が言うところの形而上学を自分は生きることができるのか、ということが最大の問いになるのだ
そのように自分も考えて生きていけるのか、と自らに問いかけなければならない
目の前にある対象がどういうものかを理解し、講釈するだけでは不十分なのである
今回手にしたのは、ジョルジョ・アガンベン(1942-)の『最初の哲学、最後の哲学: 形而上学と科学のあいだの西洋の知』岡田温司訳(平凡社、2025)である
この哲学者の著作を読むのは、これが初めてになる
その意味では期待感がある
ただ、その感触をつかむところまで読み進んでいない
読み終わる頃には自分との相性がよいのかどうか分かるのではないだろうか
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