2008.3/24 (lu)
コロンビア大学のフィリップ・キッチャー氏の話を聴いてまとめたもの
詳細は、以下のブログにある
ここでは、とくに宗教に関する発言を取り上げる
マルクスが宗教はアヘンであるとし、また唯物論がその根底にある現代科学が優勢な時代に、なぜ宗教はなくならないのか
この問いに対してキッチャー氏は、現代という超競争社会において精神的な安定を得るには宗教が必要だと考えている
宗教以上の対処法があればよいが、なさそうだという見立てである
同時に、宗教は社会や人間関係に良い影響があると考えている
無神論者は社会的に強い人なのだろうか
そういう人は存在してもよいが、そのことによって宗教を否定できるのか
アメリカでは反進化論の立場を採る人が少なくないが、それも残酷な競争社会のなせる業ではないかという
進化論は無神論と解釈され、学校で教えることに反対する人が少なくない
キッチャー氏は進化論を科学ではなく、歴史や比較社会学(比較宗教学)のクラスで教えるべきだと提案している
そこで重要になるのが、すべての宗教が同じ教義に基づいているのではないことを教えることだという
進化論だけが宗教に対抗しているわけではない
理性・科学と原理主義の対立
どちらが勝つのかは分からないが、破壊の方向に向かう可能性は大きい
ここで重要になるのが、開かれた環境の中で行われる知的な討論である
この場が閉ざされると、宗教に限らず、危ういことになる
――2021.12.6 (lu)――
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